臓器移植法改正案について
今国会での成立が微妙な状況の臓器移植法改正案。脳死を「人の死」と認めるかどうかが議論の焦点。先進諸国と比べ、日本は臓器移植について慎重なのは確か。日本の文化、そこから来る倫理観が国際的に見てかなり異質だということの証。日本人は無宗教とよく言われる。確かに自分の宗教に自覚的な国民はキリスト教やイスラム教圏と比べ少ないようだ。しかし、無意識の強固な宗教(死生観といってもいいかもしれない)を、多くの日本人は持っている。肉体と精神を別個のものと捉えることについて、日本人の心理的バリアーが高いのは、そういうことと深く関っているからだろう。
とはいえ、臓器移植や終末期医療のようなテーマを文化や宗教という切口でのみ考えると必ず迷宮に迷い込み、結論は出なくなる。移植を望む患者や家族が多いという現状、それを当て込んで臓器売買をする人間の存在、国際的圧力…。全てのひとを満足させる回答は無い。国会の審議の行方を追うだけでなく、自分はどの案を指示するのか、国民ひとりひとりが考える問題だ。(ロンドンの雨合羽)
