診断名変更が患者に与える絶望感
幼い頃より、神経系の長患いを持っている。物心ついたときには、親に手を引かれありとあらゆる病院や診療科を訪ね、その度に原因不明と匙を投げられた。医者にかかるのも嫌になったころ、ある診断が下され、その治療のための処置が8年間行われた。しかし、「20歳を過ぎたら落ち着く」と言われている症状は一向に好転せず、それに伴い医師への不信感も募った。
「この8年間はなんだったのか」と絶望していたところに、たまたま読んでいた医療系の雑誌に似たような症状があると記載があり、一縷の望みにかけて脳神経内科を訪ねた。初診から1年後に下された診断名は、似て非なるものだった。その瞬間、8年間の治療が大きな意味を成さなかったことが確定し、絶望に打ちひしがれたことを鮮明に覚えている。
医療の進歩により、難病に対しより適切な診断名がつけられるのは仕方がないと思う。だが、それまでに投資してきた医療費や時間が「無駄であった」という空虚感は、その期間の長さに比例して大きくなる。その面をケアすることもまた、医師の役目の一つではないかと思う。(ハマッコ)
